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【一級建築士/製図試験】6m?7m?スパン割りで悩む時間を削減!【スパン割の考え方】

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【一級建築士/製図試験】6m?7m?スパン割りで悩む時間を削減!【スパン割の考え方】

こんな方におすすめ

  • エスキスが苦手
  • スパン割りを決めるのが苦手
  • どうやってスパン割りを決めてるの?

エスキスの時にスパン割りを決めるのが苦手で、複数このスパンはどうだろう、こっちはどうだろうと行ったり来たりして時間を無駄にしていました。

2回目以降の方でも同じような悩みを抱えている方も多いと思い、今回はスパン割りの決め方についてご紹介していこうと思います。

それではどうぞ!

エスキスの手順についてはこちらからどうぞ!

おすすめの製図道具はこちらからどうぞ!

 

スパン割りを決める上での心構え

スパン割りを決める上で重要なことは、計画可能な面積をできるだけいっぱい使えるようにスパンを設定することです。

最初に面積をギリギリまで広げておくと、要求室を計画する際に配置しやすくなります。

小さな面積で初めてしまうと、ギリギリまで大きく計画している他の受験生の図面と比較して窮屈な印象になってしまうので、相対的な出来が合格に左右してくるこの試験では不利に働いてしまう可能性があります。

ポイント

できるだけ面積を大きく取れるようにスパンを計画する

スパン割りの基本的な考え方

課題によってスパン割りはもちろん異なってくるのですが、本試験では多様な合格プランを作る事ができるように、一つのスパン割りでしかうまく計画できない課題は出ないと考えられます。

どのスパン割りでも計画できる反面、どのスパン割りもどこかしらに不都合が生じるようになっているので、資格学校の課題よりも迷いやすいと思います。

 

そこで、自分の中で考える基本となるスパン割りをあらかじめ決めておくと迷いが少なくエスキスを進めていけると思います。

僕の場合は6mと7mのスパンを基本として、タテヨコそれぞれ何スパン取れるかを考えるようにしていました!

6mと7mスパンで計画できる範囲いっぱいまで計画しようとすると、それぞれ何m余るかを考えておくと、その後の計画で8mスパンや9mスパンをいくつ計画できるかの目安になるのでおすすめです。

ポイント

考えるときの基本になるスパン割りを決めておく

僕の場合は6mと7mで考え始める!

スパン割りを決めていく手順

それでは僕がスパン割りを決める際の手順を5ステップに分けて、ご紹介していこうと思います!

上でも述べた通り、僕は基本のスパンわりを6mと7mで考えるようにしているので、そのスパン割りから検証していきます。

スパン割りを考えるよりも前に問題文について重要なポイントを洗い出しておく必要があるのですが今回は長くなってしまうので、下の記事も参考にしてみてください。

問題文の読み取りで重要なポイントの解説はこちらからどうぞ!

ステップ1|建築物を計画できる最大寸法の確認

【一級建築士/製図試験】6m?7m?スパン割りで悩む時間を削減!【スパン割の考え方】

まずは敷地内に最大でどの程度の大きさの建築物を計画する事ができるのか、タテとヨコの長さを考えます。

考え方としては、道路側が3m、隣地側が2m開けるのを最低ラインとし、斜線制限などを加味して敷地境界から東西南北どの程度セットバックさせた位置に外壁ラインを設定できるのかを確認していきます。

 

上の写真は僕が令和3年の試験で、実際にエスキス時に考えていたプロセスです。

令和3年試験ではヨコが39m、タテが28mが計画できる最大寸法という事がわかります。

ちなみにこの時点では、どこに駐車場などの外構が入るかわからないのでまだ考えません。

あくまでも最大限に敷地を活用できる範囲を決めていきます。

詳細についてはエスキスの手順の解説記事にて紹介しています。

エスキスの手順についてはこちらからどうぞ

ステップ2|基本のスパン割りで検証

建築物を計画できる最大寸法が決定したら、続いては基本となるスパンがタテヨコ何スパンずつ入るか検証していきます。

令和3年の試験ではヨコに6m×6スパン、タテに7m×4スパン入り、それぞれ3mと0mの余白がある事がわかります。

ポイント

ヨコ:6m×6スパン=36m 最大寸法まで3m

タテ:7m×4スパン=28m 最大寸法まで0m

ステップ3|課題にスパン割りのヒントになる数字があるか

基本のスパン割りで何スパン入るかの検証が済んだら、課題の中にスパン割りの指定となるような数字がないかを確認します。

例えば令和3年の試験では「住戸Cの間口は心々3m以上」という指定があったので、1スパンの中に住戸を2戸計画するとして6m以上のスパンが必要という事がわかります。

さらに住戸Cの個数が10戸以上なので、1フロアに収めようとすると6mスパンが最低5スパン必要となります。

ポイント

住戸Cを1フロアに計画するには最低で6m×5スパンが必要

ステップ4|部屋を当てはめていき、不都合が出ないか検証

続いて、エスキス用紙のグリッド4マスを1スパンとしてボリュームチェックを行っていきます。

詳細までは気にせず、ざっくりと部屋が各階に収まるかの検討です。

 

まずは住戸Cを1フロアに収めたいので、南側に配置すると1スパン分余ります。

ここで、この余った部分をすぐに埋めずに、その他の大きい面積の部屋から順番に考えていきます!

今回は住戸A、B→共用室→屋上庭園→1階テナントのような順番で考えていきます。

屋上庭園の面積は決して大きくはないですが、「共用室から直接行き来できる」と問題文に記載があるためセットで考えます。

大きく分別した際の基準階型と大部屋型の課題によるのですが、コアや廊下の位置は初めにある程度決めておくとその後の計画がしやすくなります。

ステップ5|面積ギリギリの大きさまでスパンを広げる

ステップ4で基本のスパン割りでは面積が微妙に足りないなどの不都合が出てきた場合に、スパン割りの変更を行なっていきます。

スパン割りの変更を考える上では、まず計画可能な最大寸法までの余剰寸法を使用して部分的にスパンの長さを変更してうまくいくかを考えます。

それでダメなら、そもそものスパン割りを変更するという手順を踏みます。

 

僕は令和3年の試験では住戸A~Cの面積要件からヨコを7m×5スパンに変更しました。

そうすると住戸Cが2階の南面に5スパンちょうど収まり、3階に住戸AとBを綺麗に入れる事ができるようになりました。

なんとなく要求室が計画できそうだなと言うところまできたら、次のエスキス手順としては1/400で検討していくので、この時点で面積や斜線制限に引っ掛かる計画になっていないか確認しておきましょう。

外構部分の計画が何もできていないので、外構の空きを東西南北それぞれどの程度確保できているのかも確認しておく事が重要です。

エスキスプランの思考プロセスについてはこちらの記事もどうぞ!

僕がスパン割りの苦手を克服した練習方法

スパン割りの苦手を克服するために僕が練習した方法をご紹介します。

スパン割りの苦手だけでなく、エスキスの苦手を克服する方法でもあるのですが、それは、、、

 

同じ課題でスパン割りを変更したプランを複数作ってみるという事です!

 

前にも述べましたが、本試験では複数のスパン割りでも解けるようになっています。

そのため、どんなスパン割りでもその後の要求室の配置をできるようにしておくと本試験で悩みにくくなると思います。

(資格学校の課題は一つのスパン割り以外解きにくくなっているものが多いので、難易度はかなり上がると思いますが、、、)

 

他にも、スパン割りを変更することで要求室がいい条件の場所に入りきらなくなり、要求室の優先順位を決める練習にもなるのでおすすめです。

本試験では全ての部屋をいい条件の場所に配置する事ができないような問題で、確実に優先順位づけが求められます。

まとめ

今回は一級建築士の設計製図試験のスパン割りの考え方についてご紹介しましたがいかがでしたでしょうか。

エスキスが苦手な人の中には、そもそもスパン割りをどうやって決めればいいのかわからないという方も多いと思いますので、ぜひ本記事を参考にしていただければと思います。

自分のエスキスの考え方が固まっている方は、無理に変える必要はないと思いますので、煮詰まった際にこんな考えでエスキスしている人もいたな程度に見ていただければ嬉しいです。

それではまた。

 

  • この記事を書いた人

シカマル

普段はApple製品で身を固めている一級建築士です。 現在は賃貸で妻と娘と三人暮らし。 将来は中古マンションをリノベーションして住みたいと考えています。 北欧インテリアやガジェットが好きで、一級建築士試験の話やトラベルログなどを書いている雑記ブログです。

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